メーカーズマーク・ニュースバー


 

呂仁(ROGIN'S TAVERN)
オーナー 巽 誠一郎氏


たつみ・せいいちろう 1951年生まれ。大学卒業後、総合商社に入社。米国駐在員として主にテネシー州を拠点に世界各地を巡る。母上の逝去を機に帰国後、1977年、大阪府守口市にある生家を改装して「呂仁」をオープン。米南部の古い居酒屋を模したお店の造作ぶりは有名。商売の合間をぬ いながら毎年のごとくアメリカ南部を訪ね、持ち前の探究心と英語力を駆使、バーボンの歴史と現状をつぶさに検証する。


 バーボンの歴史に詳しく、由緒あるラベルやボトルの収集家としても知られる巽さんからご覧になったメーカーズマークは、どんな酒ですか。
「思い出深い酒です。僕がメーカーズマークの蒸留所に始めて行ったのは、1981年ですが、当時はまだ明治屋さんも輸入していなく資料も何も無い。日本に僅かに入っていたボトルを試飲してみると、旨いんですね。まだバーボンというものの実体が見えていない時代でした。そこで、アメリカヘ行って調べてこようと、有志の方々と勉強しに出かけたんです」

 80年代始めというとアメリカン・ブームが世界的に起き始めた頃ですね。
「そうです。アメリカのバーボン業界も勢いに乗じて輸出市場へ力を入れ始めていた。その頃からバーボンブームが爆発的に広がるわけです。ところが、メーカーズマーク
  という酒はその当時、日本はおろかアメリカでもほとんど知られていなかった。西海岸でも売っていませんでした。ですが、飲んだ人は誰もが、あのバーボンは旨い、というんです。それで我々業界の人間にとっては『幻の酒』だった」

 メーカーズマークのやり方は、なにしろ口コミでじっくりといくわけですから。
「『幻の酒』というのは、『昔、とても旨い酒があってね、だけど惜しいかな今はもう無い』ということでしょう。しかし、メーカーズマークの場合は、現実に存在しながら『幻』と言われていた。その逸品を今では誰もが手軽に味わえるわけですから、これはすごいことだと思います」

 バーボンは、いまや至極当たり前の酒として流通 しています。
 

ブームを経て銘柄もかなり淘汰されましたが、これからの時代に向けて、どんなバーボンが市場をリードするでしょうか。
「ヒストリーのあるバーボンを僕は大切にしたい。古い蒸留所が売られて、ラベルも売られ、あっち行った、こっち行った。大手のメーカーはそんなのを買い集めた銘柄をたくさん持っていますが、生産を再開して出てくる銘柄はラベルが同じでも、レシピはきちんと守られているかどうか、疑わしいわけです。ですから出来れば、銘柄を最初につくった会社が今もやっていて、家系も変わらないものが、一番ベストだと言えます」


 メーカーズマークは正にその条件にピタリですね。
「残るべくして残る酒。メーカーズマークは味も品質も良く、これからの時代、戦略的にもいけるバーボンです」

[インタビュー:2000年10月12日]


 


 

Foods & Bar あどれっさん
オーナー 若林しげる氏


1957年、東京・渋谷のお寿司屋さんの長男として生まれる。大学卒業後、シティーホテルのバーテンダー、調理師として勤務するが家業を継ぐため退職。寿司職人修業のかたわら南欧料理店の厨房にも入るなど、コックの道を目指す。平成2年、渋谷区南平台の「あどれっさん」を譲り受け開店。平成8年、渋谷区道玄坂に店舗を移転。独自の料理を主体に選りすぐりの酒をそろえる。趣味は1人乗りヨットで海に出ること。


 「あどれっさん」はかなり厳選されたバーボンやスコッチがそろう本格的なバー・スタイルの造りですが、メニューの中心には和食のお刺し身料理が並び、意表をつかれます。
「確かに、生ものの魚とバーボンという取り合わせは、誰もあまり考えない領域です。だからこそ、そこにチャレンジするこの道の醍醐味があると思うんです。とくにメーカーズマークというバーボンは、料理との相性がいいですね」

 若林さんが実際に感じられたメーカーズマークの特性は何でしょうか。
「香りはとてもあるのですが、それが強すぎることもなく、味もきつくなく、自然でまろやかですね。昔よくいわれたメロウという表現がぴったり合うバーボンです。だからどんな料理とも合わせやすい」
 

 メーカーズマークはそもそもが他のバーボンにはないソフトでまろやかな味覚を求めて開発されたのですが、メーカーの方もまさか日本の刺し身と相性がいいなんて、想像も及ばないでしょうね。
「そうですね(笑い)。でも日本だって、これまではバーボンに生ものの魚を合わせることはタブー視されていましたから。しかし、この取り合わせはお客さんからかなりの評価を得ています。自信を持ちましたね。これからもどんどん生ものを取りいれて、料理メニューの7割ぐらいを魚で勝負したいと思っています」

 かつてのバーボンのイメージとは隔世の感があります。
「僕らが若いころ抱いていたバーボンのイメージと、今の若い人たちのそれは180度違います。バーボンに限らずスコッチもそうですが、昔は洋酒というものを流行のなかで飲んでいた。

 

今は、自分の舌で確かめて納得のいくものを飲む。『自分の味』というものが解かってきた人が多い」

 お酒の世界も本物志向がかなり高くなってきたということでしょうか。
「ですからウチでは、どこででも飲める酒は置かない。飲んで本当に納得のいく価値がある酒だけを厳選しています。なかでもメーカーズマークの評価は抜群です」

 どんな評価を頂いていますか。
「当店ではボトルキープもやっていて、メーカーズマークの黒が圧倒的に多いのですが、MMを入れた人のほとんどが次もMMをオーダーします。メーカーズマークの味を一度覚えると離れられないんです。こんなに受ける魅力的なバーボンは類を見ません。出来ればMMの黒だけで商売をしたいぐらいです」

[インタビュー:2001年1月18日]